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バンディングを対策してみた

前回 S-Log3で撮影した動画の背景にバンディング(縞模様)が発生し、カメラの設定がうまくできていないと思っていたのですが、動画を見直してみたところ書き出し前にはバンディングが見られませんでした。

つまり、動画を書き出す際にバンディングが発生しているということです。そこで今回は Premiere Pro での書き出し設定を調整して、バンディングが抑えられるかを検証してみました。

設定項目

Premiere Proの書き出し設定の中で画質に関連する項目としては「動画コーデック」「プリセット」「ビットレート設定」があります。

前回の動画においては「H.265(HEVC)」「ソースと一致・高速ビットレート」「VBR1 7Mbps」となっていました。

設定比較

設定による画質の違いを5秒の動画で検証してみます。

なおYouTubeにアップロードした動画は YouTube側で再圧縮(4K動画は VP09)が行わるようですが、とりあえず今回はその影響を無視して検証を行います。

オリジナル(H.265・ソースと一致_高速ビットレート・VBR1_7Mbps)【2.7 MB】

画面左側に明らかにバンディングが発生していることがわかります。レンズの黒に対して、背景が輝度が高いためだと思われますが、これをもう少しマシにしたいです。

 

H.264・ソースと一致_高速ビットレート・VBR1_10Mbps【4 MB】

動画コーデックを「H.264」から「H.265」に変更してみました。H.264の方が圧縮率が低いため、ファイルサイズは大きくなります。

ただし、動画コーデックによる違いはほとんどわからない結果となっています。

 

H.264・YouTube4K・VBR1_40Mbps【19 MB】

動画コーデックによる違いがあまり無かったので、ビットレートを 10Mbps から 40Mbpsへと変更してみます。

気持ちバンディングがマシになっているような気もしますが、ほとんどわからないレベルです。ビットレートが4倍になったので、その分だけファイルサイズが大きくなっています。

 

H.264・YouTube4K・VBR1_100Mbps【42 MB】

更にビットレートを高くしてみます。動画の撮影は「XAVC S 4K 30p 100Mbps」で行っているので、それと同じになるようにビットレートを 100Mbps にしてみました。

10Mbpsとの違いはほとんどわかりませんが、ビットレートが上がった分だけ解像感が上がってしまい、よりバンディングが強調されているような気もします。

さらにファイルサイズも、ビットレートが10倍になっているためそれに比例して 40MBとなっています。5秒の動画で 40MBなので、例えば 10分の動画になると 5GBくらいの容量になるイメージです。

 

H.264・高品質4K・VBR1_80Mbps【36 MB】

プリセットによる影響も確認しておきます。先程までは「YouTube4K」でしたが「高品質 4K」としてみました。この状態での最高ビットレートは 80Mbpsです。

プリセットについても、バンディングに対してはほとんど影響がないようです。

 

H.265・4K UHD・VBR1_35Mbps【20 MB】

同じような条件で動画コーデックを「H.265」に戻してみます。

こちらもほとんど違いがわかりませんでした。

結論

ということで、色々と書き出し設定を変えてみましたがバンディングについてはほとんど対処できないという結果でした。

これは使用しているカメラ「Sony a7c」が 8bit(256階調)であるが故に、輝度差が激しい場面での Log撮影には向いていないという結果なのかと思います。

もちろん明るい場所などの明暗差が少ないシーンにおいては、8bitであっても Log撮影に対応できるかと思いますが、少なくとも室内撮影においては HLGを使用しておくほうが無難と言えそうです。

 

良い対処方法などありましたら、アドバイスください。